製造プロセスにおけるフォトダイオードアレイのリワーク

ファインテック社はどのようにして、CT検出器用フォトダイオードアレイに対する再現性の高い完全なリワークソリューションを、First Sensor AGと共同で開発したか。

First Sensor AGは、成長を続けるセンサー市場において、多数のアプリケーション向けに標準化された顧客固有のソリューションを開発・生産しています。実績のある技術プラットフォームに基づき、チップからコンポーネント、ディテクターからセンサーシステムまで、幅広い製品が開発されています。とりわけ、高速度センサーは、医療診断の分野において、主要な医療機器メーカーの戦略的パートナーとなっており、それを使用した内視鏡検査、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)、磁気共鳴画像法(MRI)などの画像処理は、疾患や機能障害、その原因を特定する上で重要な役割を果たしています。

 

課題の定義

First Sensorは、エンドユーザーと共に、コンピュータ断層撮影に使用されるセンサーモジュールの組立・パッケージング技術を開発し、ベルリン・ヴァイスンゼンゼーの工場で製造も行っています。

このアプリケーションでは、8個のフォトダイオードアレイがセラミック・サーキット・キャリア上に配置され、はんだ付けされます。製造工程では、これらのチップの一部が故障したり、要件を満たしていなかったりするため、その場合交換が必要になります。.

このアプリケーションには、以下の工程が含まれています。

  1. 故障したフォトダイオードアレイの取り外し
  2. サーキット・キャリア上の残留はんだの完全除去
  3. チップ接点をフラックスで均一に濡らした上で、チップをフリップチップ方式でサーキット・キャリア上に高精度に搭載
  4. サーキット・キャリア上のチップを所定の位置にはんだ付け
 

主な課題としては:

  1. セラミック製のサーキット・キャリアを端から端まで高密度に実装されています。そのためサーキット・キャリアをリワークシステムに確実に固定する方法を開発する必要がありました。
  2. 4個のセンサーが2列に並べてハンダ付けされており、センサー間の距離は数マイクロメートルしかありません。しかし、はんだ付け、チップ搭載、残留はんだ除去の際に、隣接するチップを溶かしたり、触ったり、動かしたりすることはできません。これは、使用するツールに特別な制約を課していました。
  3. CT装置の画質を確保するためには、すべての画素が正しいx/y座標上にある必要があります。さらに機能レイヤーがフォトダイオードに接合されるため、チップのZ方向の位置も非常に重要です。すべてのセンサーが互いにある平行平面内に収まっていないと、厚さの異なる接合層ができてしまい、CT検出器の性能を損なうことになります。その許容範囲は20ミクロン未満でした。
  4. シリコンセンサは反射率の高い表面を持ち、赤外スペクトルの波長に対しては透過です。このため、単純な赤外線ヒーターを用いることが出来ないため、より高度な加熱技術を使用する必要がありました。

 

各プロセスステップにおけるソリューション

セラミック・サーキット・キャリアは端から端まで部品が配置されているため、従来のプリント基板のように位置決めテーブルのクランプレールを使ってリワークシステムにクランプすることはできませんでした。そこで当社では、セラミック基板を挿入して真空固定できる専用の基板ホルダーを製作しました。

ファインテック社は、カスタマイズされたはんだ付けツールの開発について長年の経験を持っており、最適なツール設計により、非常に厳しい条件の下でも安全なリワークプロセスを実現しています。ファインテック社は、高速度センサーのアプリケーションに適したはんだ付けヘッドをすみやかに設計し、適切な温度プロファイルと組み合わせて、再現性の高いはんだ付けプロセスを設定することができました。

リワークシステムに内蔵されたはんだ除去モジュールにより、残留はんだはすべて非接触で除去することができます。使用されるはんだ除去ヘッドの特別設計により、はんだ接合部の表面全体を1回で洗浄することができると同時に、隣接するチップを溶融やドリフトから確実に保護します。
チップを搭載する前にフラックスではんだボールを濡らす際、Finetechが特別に製造したディッピングトレイは効率的なソリューションとなりました。チップの接点は、予め決められた深さのフラックスに浸され、すべてのはんだボール上に均一なコーティングを施しました。

新しいチップのはんだ付けのために、はんだ付け中に周囲のセンサーの上で静止する温度検出素子付きのはんだ付けヘッドを特別に設計し、それによってチップをサーキット・キャリア上の所定の距離に搭載しました。同一平面性を確保するために、はんだ付けアームの上のはんだ付けヘッドは、基板ホルダーの表面に対して正確位置決めされています。このはんだ付けヘッドの設計は、レーザー走査顕微鏡と共に、キャリア上のすべての位置におけるチップ、例えば、中央のチップからエッジ位置のチップまでを、許容範囲内で搭載、完璧にはんだ付けします。

装置購入に先立ち、リワークプロセス全体は、ファインテックのラボにて、First Sensorとエンドユーザーによって検証され、確認・承認されました。加熱システムの制御熱電対は恒久的に組み込まれており、このアプリケーションでは許されないコンポーネントまたはサーキット・キャリアへの機械的接触はありません。これにより、温度プロファイルと品質管理されたリワークプロセスが、再現性を持って繰り返し実行されます。

 

迅速な投資回収

ファインテック社のオールインワンソリューションは、First Sensorの代表者に感銘を与え、彼らはファインテック社のリワークシステムの購入を決めました。要件に合わせてカスタマイズされたプロセスモジュール、ツール、温度プロファイルを組み合わせることで、First Sensor社は、故障したフォトダイオードモジュールの安全かつ再現性の高いリワーク手順を、生産環境で使い勝手よく設定することができました。これにより貴重なリソースが節約され、ファインテック社のリワークシステムは短期間で投資回収されています。

 

「ファインテック社と一緒に仕事をして、ただ装置を受け取っただけではなく、問題を解決するためのソリューションを提供してくれたことにとても感銘を受けました。これは、最初の相談から始まり、ファインテック社でのプロセスのテストと認定を経て、当社工場での装置の最終的な受け入れまで継続されました。」

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