脳インプラントがてんかん患者に新たな希望を

英国におけるCANDO projectでは、てんかん(癲癇)患者のための、生命を脅かす発作を積極的に回避するための脳インプラントの開発が進めてられています。 その大きさわずか数マイクロメートル足らずのインプラントはFINEPLACER®高精度ダイボンダーで組み立てられています。

脳内では神経細胞が律動的な活動または「脳波」を発生させています。多くの神経学的疾患においては、これらのリズムが乱れ、異常な活動パターンが生じています。てんかんにおいては、異常な活動はしばしば小さな「病巣」に限って発生し、その後発作を引き起こして広がります。症例の3分の1近くにおいて、従来の薬物治療に反応が見られないため、外科的に病巣を取り除く必要があるかもしれません。  しかしながら、外科的手術は、必要な脳機能への不可逆的なダメージあるため、全ての患者に適している訳ではないかもしれません。

2014年から、ニューカッスル大学と他の英国の研究施設との共同研究プロジェクトであるCANDO(Controlling Abnormal Network Dynamics using Optogenetics: Optogeneticsを用いた異常ネットワークダイナミクスの制御)は代替治療法を開発しています。 極めて小さな脳インプラントは、発作を避けるために活動の異常パターンを調整します。 インプラントは、埋め込まれた電極を介して脳波を継続的に監視し、埋め込まれた光源を使用して正確なタイミングで刺激を与えます。 このプロジェクトのゴールは、てんかん患者を対象にした初期人体評価試験を成功させることです。

極小のマイクロLEDコンポーネントを用いた光化学センサの組立て

脳インプラントの中核部分はオプトロード基板(光化学センサ基板)で、その上には100 µm未満のµLEDコンポーネントから成る光源が、追加ASIC制御コンポーネントとともに、限られた構造体に搭載されています。

開発初期の段階においては、CANDOは機能テストと設計最適化を目的としたプロトタイプサンプルを作成できる迅速かつ柔軟な方法を模索していたため、コンポーネントは基板上に接着されていました。しかし、この接着方法は人体内での使用には実行可能ではありませんでした。そのため最終的なインプラント設計においては、金/錫を用いたフラックスフリーなハンダ付けなど、生体適合性のある接合方法が必要となりますが、これは試作においては非常に費用がかかり過ぎると考えられていました。そのためCANDOは金/錫プロセスに代わる別の技術を網羅できるダイボンダーを必要としていました。

サブミクロン対応ダイボンダー および ツーリングに関するノウハウ

試作に於いてCANDOの科学者達は、既存のダイボンダー装置が必要な柔軟性と正確さを持っていないことに直面しました。 厳しいタイムスケジュールに間に合わない危機に瀕し、新たなるメカニカルな解決策を見つけることを急いでいました。

そんな最中、彼らは当社のサブミクロン対応ダイボンダー – FINEPLACER®ラムダが最適な装置であることに気づいたのです。このダイボンダーには極小の構造を鮮明に撮影ための精密な光学系と0.5ミクロンの実装精度があり、それらこそオプトロード基板を組み立てるのに必要なものだったのです。

それに加え当社のツーリング(冶工具)のノウハウも実現のためのキーファクターでした。我々は、加熱プレートを底部から経由しての加熱に加えて、上方向からの加熱も可能な、科学者たちが安全に極小部品を取り扱うことが可能になる加熱型ピックアンドプレースツールも開発することができました。また、適切なスタンピングツールを使用して、少量のはんだを塗布するための非常に便利で信頼性の高い方法も提供することが出来ました。このツールは、ディッピングトレイから決められた量のはんだをピックアップし、それらを基板に移して正確な量のはんだを塗布するものです。

一丸となって目標達成を

今University of Newcastleでは、FINEPLACER®ラムダをベースに、それぞれの要件に合わせて構成をカスタマイズされたダイボンダーを使用しています。脳インプラントは最高の精度と再現性で組み立てられており、接合プロセスを(はんだ付け、接着、超音波接合など)柔軟に選択できる事により、設計および組み立てプロセスは迅速に適応が可能です。また、同ダイボンダーは他のプロジェクトやアプリケーションでの使用にも適しています。

「CANDOの厳しいスケジュールに対して、我々は数週間以内の迅速な納品・設置を保証し、そしてその約束を果たすことができました」

当社の幅広いプリセールス、およびアフターセールスサポートも、お客様に貢献した模様です。 ベルリンとニューカッスルを何度か訪問する間に、目標は策定され、広範囲にわたる実験・評価が行われることになりました。

ファインテックはニューカッスル大学と緊密な協力を続けています。 当社の継続的なモジュールとツールの開発により、CANDOは洗練された脳インプラントの組み立てや、それ以外のまったく異なるアプリケーションに関する課題についても、常にFINEPLACER®ラムダを最大限に活用しています。

その結果、我々は2016年、CANDOのPhDであるNikhil Ponon氏を、Finetechの例年のイベントであるMicro Assembly Dayにお招きし、FINEPLACER®での最先端の脳インプラントを開発について講演していただけたことを、私たちは非常に嬉しく思っています。

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